精神保健福祉士とは?
精神保健福祉士は、メンタルヘルスの領域に関わる専門職であり、国家資格です。
精神保健福祉士は、簡単に言うと精神の病気や障害を抱える人に関わる職業です。
その方たちが、生活の中で出会う「困った」や「生きづらい」を解決するのをお手伝いする役割を担っています。社会福祉士と同じようにソーシャルワーカーとも呼ばれています。
うつ病や統合失調症などを患う人が就労する為の支援をしたり、薬物や性犯罪を犯した人が社会復帰するのを支援したりします。
日本精神保健福祉士会のホームページでは以下のように説明されています。
精神保健福祉士とは、1997年に誕生した精神保健福祉領域のソーシャルワーカーの国家資格です。
21世紀はこころの時代と言われています。多様な価値観が錯綜する時代にあって、こころのあり様は私たちがもっとも関心を寄せる問題の一つとなっています。
特に、わが国では、たまたまこころの病を負ったことで、さまざまな障害を抱えた人々(精神障害者)に対する社会復帰や社会参加支援の取り組みは、先進諸国の中で制度的に著しく立ち遅れた状況が長年続いていました。近年になり、関係法の改正などにより、ようやく精神障害者も私たちと同じ一市民として地域社会で暮らすための基盤整備が図られることとなりました。
精神保健福祉士は、精神科ソーシャルワーカー(PSW:Psychiatric Social Worker)という名称で1950年代より精神科医療機関を中心に医療チームの一員として導入された歴史のある専門職です。社会福祉学を学問的基盤として、精神障害者の抱える生活問題や社会問題の解決のための援助や、社会参加に向けての支援活動を通して、その人らしいライフスタイルの獲得を目標としています。
さらに、高ストレス社会といわれる現代にあって、広く国民の精神保健保持に資するために、医療、保健、そして福祉にまたがる領域で活躍する精神保健福祉士の役割はますます重要になってきています。
日本精神保健福祉士会ホームページ
槇原敬之や沢尻エリカにも精神保健福祉士は関わるかも?
最近目にすることが多くなった芸能人の違法薬物問題ですが、この問題も依存症という精神の病気が関連しています。
このような方たちに対して精神保健福祉士は、依存症からの回復と社会復帰ができるよう支援を行います。
「罪を憎んで人を憎まず」という表現があります。
罪を犯した当人を罰するだけでは、世の中から罪そのものは消えません。ほかの人が同様の罪を犯すかもしれませんし、同じ人が再犯をするかもしれません。
犯罪が繰り返し起こるのは、個人的な要因だけではなく社会的な要因もあるはずです。
決してその人が、社会のルールに反したことを認めるわけではなく、違法薬物を使用したことを許すわけでもありません。判決で出た刑罰を受けることに加え、批判や偏見など社会的な制裁も受けることになるでしょう。
しかし、罪人である一方で何らかの治療と支援を必要としている1人の人間でもあります。
治療や支援が十分に受けられないと、あらゆる意味でその人は苦しみ続けることになります。
「自分自身で招いたことだから、そんなことは知らない。自業自得だ」と思われる方がいるかもしれません。
ですが、自業自得をして社会から見放された場合、その人はその苦しみから新たな犯罪を犯すかもしれません。日本の犯罪の多くは再犯が占めているとも言われます。
そうなった場合、関係のない人が犯罪に巻き込まれます。
それを防ぐためにも、罪を犯した精神障碍者の回復と社会復帰を支援する必要があるのです。
精神保健福祉士はどこで働く?
医療や障害者支援や行政、司法など幅広い領域で活躍することができます。
精神病院などの医療機関
ハローワークや民間の事業所など就労支援分野
保護観察所などの司法施設
行政機関
介護施設 など
病院では、病院と社会との橋渡し役を担うといえます。
また、最近は従業員のメンタルヘルスマネジメントに関心が向けられるようになってきているため、一般企業でも雇用するところが出てきているようです。
精神保健福祉士になるには?
国家試験を合格し、資格登録をすることで精神保健福祉士を名乗って仕事をすることができます。
受験資格がある
受験資格を得るためには要件があり、複数のルートがあります。
詳しくは社会福祉振興・試験センターのホームページをご参照くださいhttp://www.sssc.or.jp/seishin/shikaku/route.html
国家試験について情報収集がしたい方は以下の記事も読んでみて下さい。
↓合格基準について記載しています。
↓試験合格後の資格登録についてはこちら
必要性は高い
複数の芸能人が逮捕され目にすることが多くなった薬物依存症の問題
その他にも痴漢や引きこもりなど
世間で話題になる事柄には精神保健の領域が密接に関連しています。
また、うつ病などに見られるメンタルヘルス不調は特別な病気ではなく、誰がなってもおかしくありません。
いかに精神の病気や障害と上手く付き合えるかが問われる世の中と言って良いかもしれません。
そのような中で精神保健福祉士はますます必要とされる職種です。
ぜひ役割を知っておいてください。