子連れ出勤に反対という意見を考察してみる

この記事は約7分で読めます。
スポンサーリンク

子連れ出勤に反対という意見を独自に考察してみました。

2020年3月コロナウイルス感染の広まりを受け、

全国の小中高校は基本的に一斉休校となりました。

これには賛否両論が巻き起こっています。

一斉休校を受けて、働きながら子育てをする方には影響を受けている方もいらっしゃいます。

そのような方のニーズに応える形で、従業員に子連れ出勤を認める企業が複数出てきています。

評価されるべき判断だと思います。まず緊急性のある現状において子どもの居場所を提供しているのは確かです。また、将来的にも子連れ出勤という新たな選択肢を企業に取り入れることで、今後も働きながら子育てをする方の保育ニーズに柔軟に対応できる可能性もあります。

しかし同時に、「とにかく困っている人を助けられる良いことだから」と検討もせず導入をすることには危惧もしています。

新たな問題を生む恐れがあります。

私としては企業の子連れ出勤導入は評価されるべきであると考えていますので、問題を未然に防げるよう前向きな検討が多くの職場で行われることを望んでいます。

子連れ出勤を前向きに検討するために、今回は敢えて反対意見を掘り下げて考えてみます。

子連れ出勤になぜ反対?

子連れ出勤に8割の人が反対と答える【アンケート結果】

2019年1月、こんなことが話題になりました。

2019年1月15日

宮腰光寛少子化担当相が「子連れ出勤」を政府として後押しする考えを表明

これを受けてBusiness Insider Japanが子連れ出勤の賛否について緊急アンケートを実施しています。

そのアンケートの結果では約8割が「反対」と答え、子連れ出勤自体に否定的な見方が多数派を占めるという結果になりました。

この結果には、政府発表を受けて賛否が生じた後というタイミングも多少は影響していると考えるべきかもしれません。

しかし、反対という考えを考える貴重な材料であることに変わりはありません。

保育園を拡充するなど他にやるべきことがある(28%)

政策に対して

これはまずアンケートが取られた2019年1月当時、「保育所の待機児童問題は放ったらかしか?」等、政府が発表した方針の優先順位に疑問を抱く人が居たことを意味していると考えられます。

「子連れ出勤を後押しするよりも保育所整備を」といった意見が含まれているはずです。

会社の制度

子連れ出勤の主な理由が、

「収入を途切れさせたくない」

「人手がないから休めない」等の理由であるならば、

そうならないように人事ないし業務を工夫して欲しいという意見もあると考えられます。

仕事にならない(18%)

職場にいる子どもが、

①自分の子どもの場合

②他人の子どもの場合

2通りがあると思いますが、「仕事にならない」という考えも掘り下げてみましょう。

世話に手が取られる

自分の子供である場合

乳児であれば授乳やオムツ替えも必要でしょう。

もう少し成長している子でも、恥ずかしい寂しいなどで機嫌が悪くなり泣き出したりするかもしれません。

突然熱を出すかもしれません。

仮に専属のスタッフがいる託児ルームが整備されていたとしても、何か有れば近くにいる親が呼ばれます。

必要に応じて、仕事の手を止めて職務を離れる必要があります。

自分の子ゆえに気が散る

意識しないようにしても、自分の子どもです。声などが聞こえるだけでも仕事への集中力に影響するかもしれません。

職場のサービスに影響する

店舗や施設という職場の場合、そこは従業員だけでなく顧客や利用者もいる環境です。

その場でサービスが提供されているので、子どもが意図せずとも顧客や利用者に不利益を与えてしまうかもしれません。

・子どもがその場にいることで適切なサービスが提供できない
・あるいはサービスの質に影響する

という心配があるのではないでしょうか。

子どもが職場に連れてきたことが、仕事の成果に影響しては考えものです。

子どもが苦手

ただ苦痛でしかないでしょう

他人の子に気を遣う

子どもが苦手でなくても、サービス精神が旺盛な方は子どもが居たら放って置かないかもしれません。構ってあげたくなるため、仕事だけでなく子どもにも気を遣ってしまうかもしれません。

子どもにとって環境がよくない(12%)

子どものストレス

あくまで仕事場なので、子どもを構ってあげられる環境でないかもしれません。

特に子連れ出勤を前から取り入れているので無ければ、職場で子どもを受容する意識やスキルを持ち合わせていない人も多いでしょう。

子どもにとって、それが感じられる環境はストレスになるかもしれません。

非専門的な場所と人

主に専属のスタッフや託児ルームなどがない場合です。尚且つオフィスなどの一角で子どもに過ごしてもらう場合です。

その場所は子どもの過ごしやすさは元々考慮された環境ではありません。

五感から入る情報を含め子どもにとって相応しくない情報でいっぱいかもしれません。

そして当然ながら仕事をしているので子どもに専属で関われる人間が居ない場合も予想できます。

大人たちは仕事に取り組んでいるため、子どもがそこに居るだけになっていて、結局は1人でいるのと変わらない状況となる恐れがあります。

もちろん子どもによっては平気な子がいるかもしれませんが、それは全ての子にとって好ましい環境とは言えないと思われます。

危険を伴う

例えば、病院や介護施設などの医療や福祉の職場はどうでしょうか?

コロナウイルス感染が深刻になってきている現状、医療や福祉の現場は休めない職場の一つです。

子連れ出勤の必要性がある方も多数いらっしゃるでしょう。

しかし、このような職場で子連れ出勤を認める場合、ルールが明確でないと病院や施設を利用する方の不利益になるばかりか、子どもの不利益にもなります。

・子どもが診療やケアなどの現場に立ち入ってしまうことで、事故を引き起こす恐れはないか?

・子どもが動き回ることで、コロナウイルス感染の触媒となってしまわないか?

・単純に人がいるところにいることで、コロナウイルス感染のリスクを高めてしまわないか?

通常時でさえ、利用者の命と隣り合わせの環境です。

コロナウイルスが蔓延し感染の恐れがある状況ではリスクは更に高まります。

職場に迷惑がかかる(10%)

「反対」という意見の中で、「職場で周囲に迷惑がかかる」と回答した人は10%いました。

これは主に「自分が子どもを連れて行く立場の人」の視点ではないでしょうか。

周囲への気遣いなどにより肯定的になれない人も一定数いることが予想されます。

現状においてはコロナウイルスの感染に対する懸念もあるので、そのような感染拡大への

心配という意味でも「迷惑」と考える人はさらに多いかもしれません。

子連れ出勤に反対という意見から考えるべきこと

解決すべき問題や課題

これは子連れ出勤というテーマに限らずですが、

反対意見を掘り下げて考えることで、解決すべき問題や課題を考えやすくなります。

例えばここでは以下の課題が浮かびます。

・顧客や利用者の利益を損わないか?

・周囲の従業員への配慮は可能か?

・親への配慮は可能か?

・子どもへの配慮は可能か?

・子どもの生育環境として適切な場所を用意することは可能か?

・危険を取り除き減らしておくことは可能か?

起こりえる問題や課題への具体的な対策

検討して出てきた問題を1つ1つを掘り下げていくことで、より問題や課題は具体化できるはずです。

職場により問題や課題をどこまで解決しておくかが異なると思いますが、明確にはしておくべきです。

どこまで解決しておくのかを明確にすることで、あとから検証できる

「子連れ出勤を導入したきり放置」では形だけの制度になってしまいます。

今は緊急的に取り入れたとしても、できるだけ早いタイミングで検証を行う必要があります。

いわゆるモニタリングを行うのです。それは、経営者や管理職に限りません。

一般の職員の視点での良いので、検証をしましょう。

多様性を尊重する形での検証

「やっぱりうちの職場では無理だよね」などと否定ありきの検証ではなく、「どうやったら制度として存続できるか」という視点が重要だと思います。それが多様性の尊重に繋がります。

子連れ出勤を押し付けるのではなく、受け入れられる仕組みになるよう思考しましょう

以上に挙げたような点を考えることで、従業員に対する理由無き押し付けとなることは防げるはずです。まずは検討を、考えることがすべての始まりです。

「子連れ出勤に反対から考える」のまとめ

「子は鎹(かすがい)」と言いますが、子連れ出勤について考えることにも言えると思います。

誰にとっても働きやすい職場とするための「鎹」となるのではないでしょうか。

子連れ出勤に関する記事はこちら

コメント

  1. […] 子連れ出勤に反対という意見を考察してみるワークライフバランスの実現に期待される子連れ出勤。コロナウイルスの感染拡大により注目する企業も。敢えて今回は反対という立場から […]

タイトルとURLをコピーしました