コロナウイルスで介護施設で職員が休んだ場合、人員配置基準は問題ない？

コロナウイルス対策により、福祉・介護施設でも職員が休む可能性が高まってきている。

疑わしい症状の職員は、出勤を控えてもらっているはず

2020年2 月17日に「新型コロナウイルス感染症についての相談・受診の目安」が発表されました。

相談・受診の目安については、以下の記事にも記載しています。

福祉・介護施設でも新型コロナウイルス対策を

コロナウイルスの被害は拡大する一方です。しかし、完全にストップすることができない福祉や介護のサービス。どのような対応を取るべきでしょうか？

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2020.02.17

全国的に学校が休みになり、出勤できない職員も出ている状況

2月27日、安倍晋三首相が全国の小中高校や特別支援学校への3月2日からの一斉休校を要請しました。

学校が休校することにより、低学年児童の親などが状況によっては出勤できない可能性があります。

では、このような一連の対応により一時的に人員基準を満たすことができなくなる場合等はどうしたら良いのでしょうか？

コロナウイルスで介護施設職員が休んでも人員配置基準は問題ありません。

2019年台風19号の対応に倣う。柔軟な対応が可能。

福祉・介護施設職員の出勤に関しては厚生労働省から通知が出ています。

職員本人がコロナウイルスにかかったり、発熱など疑わしい症状で休んだりした場合、人員配置基準を下回ったとしても、違反にはならず問題ありません。

子どもの学校が休校になった関係で、休まないといけないようになった職員が出た場合も同じ考え方です。

昨年2019年に発生した台風19号の解釈を参考にするよう厚生労働省から通達がありました。

台風19号時は以下のような対応が認められました。

指定等基準や基本サービス費に係る施設基準

基準以上の人員配置をした場合に算定可能となる加算（看護体制加算など）

有資格者等を配置した上で規定の行為を実施した場合に算定可能となる加算（個別機能訓練加算など）

今回のコロナウイルス対応についても、介護報酬、人員、施設・設備及び運営基準について柔軟な対応をとることが認められています。

利用者へのサービス提供が著しく困難になるなどしなければ、一時的に人員基準を下回ることも認められると解釈できます。

ただし、細かな解釈は各市町村等の判断に委ねられるかと思いますので、事業所として判断をする前に管轄の市町村へ相談をすることは必要でしょう。

利用者の処遇への配慮について

感染の黄色信号に気づきましょう

今回発表された見解には「利用者の処遇への配慮」という前提があります。

かなり抽象的な表現ではありますが、既に感染が広まってしまった状態では「処遇への配慮」など当然できるものではありません。

感染の状況が、赤信号になる前の黄色信号の段階では遅くとも手を打っておく必要があります。

あまりにもたくさんの職員が出勤できない状況も起こりえます。

それは赤信号です。もはやそうなってしまっては施設サービスの継続は不可能です。

ただし、赤信号となる前に黄色信号となる何らかのサインがあるはずです。

政府発表の目安よりも厳しめの基準で、疑わしい症状の職員および利用者が現れた時点で2次感染対策を行うべきです。

感染症マニュアルに則った対応を

政府は感染症マニュアルの徹底を呼びかけています。

インフルエンザやノロウイルスなど毎年流行する恐れのある感染症を想定したものですが、

コロナウイルスには未知の部分が多く残されている以上、現在最もスタンダードな感染防止策を講じることが適切かと思われます。

上記にリンクを貼っているのが、厚生労働省の「高齢者施設における感染症対策マニュアル 改訂版」と「保育所における感染症対策ガイドライン」です。

こちらに基づくのが、科学的根拠に基づいた対策になるかと思います。

感染者が出たとしても被害・感染拡大が無いよう適切な施設側の判断が求めらています

今回の記事では

厚生労働省 認知症施策推進室、振興課、老人保健課による介護保険最新情報、

「新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所の人員基準等 の臨時的な取扱いについて (第2報)」の情報を基に作成させて頂いております。