この記事はどんなテーマ?
コロナウイルスによる小中高などの休校を受けて、子連れ出勤を認める企業も出てきています。
働きながら子育てをする方たちの中には子連れ出勤を職場に認めてもらえると有り難いという方もいるかと思います。
「迷惑」も貴重な意見です。
「迷惑」という意見を一度受け止め、
その背後にある問題を汲み取ることで、
その職場の子連れ出勤におけるルールに不備や欠陥が無くなり、
結果的に「迷惑」と感じる人が少なくなるかもしれません。
単なる意見の対立に終わらせず、将来にわたって有意義な職場関係を作るきっかけとしていただきたいと考えております。
Twitterに「子連れ出勤 迷惑」というツイートが数十件
数日にわたってTwitter上に、子連れ出勤が迷惑だという旨のツイートがちらほら見られました。
この件について詳しく取り上げてみたいと思います。
子連れ出勤が話題に上がった背景
安倍晋三首相の要請により巻き起こった賛否
コロナウイルスが各所に影響を及ぼしています。
これを受けて、安倍晋三首相は全国の小中高校と特別支援学校に対して3月2日以降の臨時休校を要請しました。(2020年2月27日)
これは賛否両論を巻き起こしています。
働きながら子育てをする親が突如突きつけられた課題
「仕事を休まないといけない?」
働きながら子育てをする方には、安倍晋三首相の要請を受けて不安になられた方もいらっしゃると思います。
「学校に行けないなら子どもはどうしたら良いの?」
「仕事を休まないといけないんじゃないか?」
子どもが学校に通っていることで、育児から離れ就労できているという方は多くいます。
そんな方たちはまず上記のような不安を抱かれたのではないでしょうか。
行政も対応しようとしているが十分ではない
自治体によっては、必要性がある生徒には登校や給食の提供を認めるという発表をしています。
今のところ学童保育は休園せず、全国的に継続する予定となっています。
しかし、住んでいる自治体や学童保育の受け入れ状況によっては、
それでも子どもの預け先に困る方がいます。
・学校
・学童保育
・親や知人に見てもらう など
どれも有効な選択肢でない方もいます。
子連れ出勤の企業が複数現れている
公的にも、私的にも頼る術がない方にとって、
子連れ出勤は救いの手になるのではないでしょうか。
Zホールディングスは、小学生の子どもがいる従業員に子連れ出勤を認めたそうです。
朝日新聞社のWeb記事に詳しく書かれています。↓
それ他にも子連れ出勤を認める企業が続々と出てきているようです。
働きながら働く親にもたらす子連れ出勤のメリット
不安解消・軽減
親としては、
「子どもの安全を確保することができる」
「仕事を休まずに続けることができる」
このような不安を解消することができます。
働く親に与える安心感はかなりのものではないでしょうか。
経済的に助かる
そして時給で働いている方にとっては、
仕事を休まずに済む=収入が途絶えずに済む
ということでもあります。
生活を成り立たせるには何よりも重要なことです。
企業としても子連れ出勤にはメリットがある
企業としてもメリットがあります。
企業や職場としては人員不足を防ぐことができます。
コロナウイルスが感染拡大しているのは重々理解しているが、実際のところ、
「テレワークもできないし、休業するわけにもいかない」
「でも疑わしい症状の職員は休ませないといけない。」
そんな状態であれば
「子連れ出勤してもらってでも業務を回さなくてはいけない」
というのが企業としての本音ではないでしょうか?
働く親や経営者の視点から見れば、メリットがあるのは確かです。
子連れ出勤は迷惑?
子連れ出勤を迷惑と感じる人が居るのは事実
しかし、子連れ出勤は全ての人から歓迎されていないのも現実です。
必要としている方が確実に存在する子連れ出勤ですが、職場環境によっては正直なところ「迷惑」と考える人もいるようです。
2019年1月に子連れ出勤に関して行われたあるアンケートに基づく考察記事はこちら
「迷惑」がかからない為にはどうしたら良い?
既に導入をしている企業から学ぶ
良い点も、悪い点も先行者から学ぶのが得策ではないでしょうか?
「ソウ・エクスペリエンス(Sow Experience)」(体験型のカタログギフトの企画・販売)
ソウ・エクスペリエンスが子連れ出勤を導入した経緯としてはベンチャー企業として成長する中で人手不足に面したことが大きな理由のようです。子育てのために社員に休職して欲しくないという企業の願いと、休職せずに働きたいという社員の願いが合致したことにより実現したそうです。
あえてルールで縛らずチャレンジできる風土があることが子連れ出勤の定着にも繋がっている様子です。
ただし、原則は保育所に預けることとなっているようです。待機児童とならないように、あくまでも繋ぎの制度。
「モーハウス」(授乳服メーカー)
モーハウスは先述した少子化担当大臣が視察に行った企業でもあります。
設立当初から子連れの出勤を認めているとのことなので、その実績は20年以上。
授乳服メーカーとだけあって、授乳服を活用しながら子どもを抱っこしたりしながら働くことができる環境のようです。
ハード面で特別な設備があるわけでも無いようです。
株式会社ゴーフィールド
ルール作りと配慮ができるか検討した上で導入を
子どもが職場にいることを正直なところ「迷惑」と感じる人がいるのは事実です。
しかし、賛成か反対かの二元論ではなく、反対の意見である方たちに納得のいく説明をすることで中間地点が見つけられるかもしれません。
反対意見もあらかじめ想定し、うまく過ごすスペースや時間を分けるなどすべきです。
もし、そのようなルール作りや配慮ができないのであれば、場当たり的な子連れ出勤の許可は控えるべきでしょう。
「とにかく必要だから」とルールや配慮もなく子連れ出勤を導入してしまうと
それは迷惑となってしまう可能性があります。
子どもは予期せぬ行動をすることもあるため、それだけ綿密な検討が必要とされます。
誰が、いつ、どこで、どのように子どもと過ごすのか等を明確にした状態での導入が求められると考えます。
検討や検証を重ね、受け入れ側である従業員への配慮を
2020年、緊急事態であることに間違いはありません。
緊急対応として導入した企業は、評価されるべきです。
救われる子や親は少なからず存在するはずです。
一方で、その制度設計を試行錯誤しながらでも、
受け入れる側となる従業員への配慮
などについて課題検討や実施時の検証を行う必要があります。
迷惑と感じる人を思いやり配慮することが、結果的に職場の子連れ出勤をより欠陥がない制度に導くかもしれません。
子連れ出勤は迷惑? まとめ
「迷惑」という意見を一度受け止め、
その背後にある問題を汲み取ることで、
その職場の子連れ出勤におけるルールに不備や欠陥が無くなり、
結果的に「迷惑」と感じる人が少なくなるかもしれません。
コロナウイルスの感染拡大が深刻になる危機的な状況であっても、
子連れ出勤についても時間を惜しまず検討することができる職場は
従業員にも親切な企業となれるかもしれませんね。
コメント
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