今回のテーマはこんなことです。
BCPって何?
福祉施設が潰れることはあってはならない
コロナウイルスで問われる福祉施設のBCP
緊急事態!でもとにかく慌ててはいけない
2020年、日本でもコロナウイルスの被害が拡大しています。
情報が錯綜し人々の不安は日々強まっているように感じられます。
「自分も感染するかもしれない」という不安の中で、
どうすれば良いのか分からなくなりそうですが、
一人一人が冷静さを失うと事態はさらに深刻になりかねません。
「感染しないように」という意識も大切ですが、
「感染してしまったとしても被害を最小限に」
という思考も持ち合わせるべきでしょう。
特に福祉施設での被害拡大は厳禁
2020年3月現在、福祉施設内での感染拡大も報じられています。
施設内では1人でも感染者が出てしまうと直ぐに感染拡大するでしょうし、抵抗力の弱い入居者が大半の環境では死者が出る恐れがあります。
残念ながら、福祉施設で感染者が出るのは防ぎようがないのかもしれません。
今後、職員や入居者の感染により休業せざるを得ない施設はさらに出てくると思います。
休業することにより、経営基盤が比較的弱い施設は倒産の危機に面するかもしれません。
多くの人の生活を預かる福祉施設が倒産してしまうと社会的な被害はさらに甚大になる。
‥考えられる被害を上げだすとキリがありません。
しかし、ただ悲観しているだけでは状況は好転しません、
例え、今からでも最悪の事態を避けられるよう事前に手を打っておく必要があります。
事前に最悪の事態を想定し全員が最善の手を打てるように行動するための方法、
それはBCP(Business Continuity Plan)です
「BCPって何?」という方は次で説明致します。
「知ってる」という方も確認と思って読み進めてください。
福祉施設のBCPとは?
BCPとは緊急事態に向けた計画
BCPの定義については、まず以下の説明をご覧ください。
BCP(事業継続計画)とは、企業が自然災害、大火災、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく計画のことです。
中小企業庁ホームページ
日本国民は、毎年のように地震や台風などの被害に遭っています。
企業や組織は事業の停止に追い込まれる場合があります。
事業が停止している間に利益を損ない、取引先や顧客を失うかもしれません。
最悪の場合には、倒産や事業からの撤退、従業員の解雇などをせざるをえないかもしれません。
そのような事態を避けるためにBCP(事業存続計画)を立てる必要があります。
さらに言えば、BCPを運用したり見直しをするマネジメントシステム(BCM)を構築し、ただの計画に終わらせない努力をすることが組織や企業には求められています。
BCPのキーワードは事業継続です。
特に介護等の施設サービス関係者の方は、留意頂きたいのですが、
事業中断=入居者の命の危機
と言っても大袈裟では無いと思います。
職員がほとんど出勤できない状態になったら?
外部との接触が断たれてしまったら?
現場の責任者は?指揮を取るのは誰?
いくつもの事態を想定して、それぞれの状況下で施設を継続して運営する為の方法を練っておく必要があります。
そうすることにより、未然に入居者の命が守れ、施設も守ることができます。
従業員を守る
緊急事態は突然発生します。有効な手を打つことがきでなければ、特に中小企業は、経営基盤の脆弱なため、廃業に追い込まれるおそれがあります。また、事業を縮小し従業員を解雇しなければならない状況も考えられます。
中小企業庁ホームページ
緊急事態に見舞われた!
営業休止に追い込まれてしまった!
営業休止によって収益が上がらなくなったので経営が傾いた!
‥ある日の非常事態により会社が傾き、リストラされる。
事業継続ができないということは、そんな事態も想定しなければなりません。
福祉系の事業者には、経営基盤が脆弱というところはあると思います。
倒産や事業の縮小を避ける為の手立てを考えることは、従業員の解雇を防ぐことにも繋がります。
経営者の方は百も承知かと思います。
そして、ここまで読まれた、経営者でない被用者として働く方たちもBCPの重要さを実感されたのではないでしょうか。
計画策定には関与しないという立場の方は多いかもしれません。
しかし、自分が職を失うリスクを少しでも減らしておきたいのであれば、可能な限り参画すべきです。
現場の細かな動きが理解できているのは、会社の中で下の立場の人間です。
的を得ていて現実的である最も優れた提案ができるのは、経営陣ではなく、あなたかもしれません。
気づいたところや、思うところが有れば勤務先に提案をしてみましょう。
お勤めの職場のBCPについては出来るだけ早く確認をしておくことをお勧めします。
社会的信用が高まる
非常事態の中でも事業継続や事業の早期復旧ができる施設は、利用者や従業員を保護できるだけではなく、以後、社会からの信用が高まるかもしれません。
何も起きていない時に、起きるかわからないことに時間をかけて計画を練るというのは、一見すると非効率に思えるかもしれません。
しかし、長期的には有益なことなのです。
福祉施設でBCPを立てるために行うこと
BCPの5つの特徴
①優先して継続・復旧すべき中核事業を特定する
②緊急時における中核事業の目標復旧時間を定めておく
③緊急時に提供できるサービスのレベルについて顧客と予め協議しておく
④事業拠点や生産設備、仕入品調達等の代替策を用意しておく
⑤全ての従業員と事業継続についてコニュニケーションを図っておく
中小企業庁ホームページ
一般従業員やサービス利用者も参加をする
以上にあげた点のうち、③や⑤については、従業員や利用者の皆さんが自ら働きかけても良いと思いますし、その発言の機会は認められるべきです。
話し合いが進められていないことがあると、のちのち多くの人が後悔することになるかもしれません。
もし、日頃のサービスで災害の時どうなるんだろうという疑問を持っているのならば、声に出してみては如何でしょう。
それは危険に対する問題提起となります。
避けねばならないのは、何も準備をせずに災害を迎えることです。そして災害はどのような形で、いつ被害をもたらすか分かりません。
問題に気付いた段階でそれを提起し、解決・緩和する案を準備しておくことが後々役に立つはずです。
福祉施設のBCPまとめ
この数年でも災害が続いてきた日本なので、事業を行う経営者などはBCPについての知識は持ち合わせていると思います。
しかし、
全ての職員がBCPについて知識があり自社のBCPも答えられる
という企業は少ないのではないでしょうか?
ここでは、あまり知らないという方を想定して、BCPの大切だと思われる一部分を取り上げさせて頂きました。
ぜひ中小企業庁ホームページも直接ご覧になってBCPの理解を深めて頂けたらと思います
わずかにでも、このブログがBCPについて考えるきっかけになれば幸いです。
そして、いつ何が起こっても対処できる準備を整えておきましょう。
今回もご覧頂きありがとうございました。
コメント
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